長い歴史の中で先人たちが培ってきた「安心と信頼」のふくいを、みんなで守り、次世代に引き継ぎます。 さらに、その安定した社会基盤をもとに、誰もが夢や希望をもって自分らしくチャレンジでき、相互に応援し合う、もっとワクワク・ドキドキする「おもしろい!」ふくいを目指します。
くらしの積み重ねの中で受け継いできた人々の営み、自然風土や歴史性、人の良さや温かさ、家族や地域社会のつながり、ものづくりや農林水産業等の安定した産業力など、すべてが「ふくいらしさ」であり、福井県の文化力です。 人口減少をはじめとする様々な課題に正面から向き合い、福井の「安心と信頼の社会基盤」を守りながら、一方で県民一人ひとりが外に大きく開き、国内外の人々との交流を通じてふるさとへの愛着や誇りを深め、自信をもって福井を語れる姿こそ、目指すべき県民像であり、地域の誇りの確立につながると考えます。
「安心と信頼」という土台があるからこそ、新たなチャレンジが可能です。この優位性を活かして、互いの多様性を認め、挑戦を応援し合う活力ある福井を目指すべきと考えます。 「人生100年時代」に、すべての世代がチャレンジでき、誰もが自分らしい生き方を実現できる寛容性の高い共生社会が、新しい福井の姿と考えます。
大交流化やアジアが牽引する世界経済の成長、そして技術革新を活かし、さらに可能性を拡げるためには、地域の魅力を掘り起こすとともに、人材育成、産業や文化・芸術、まちづくりなど、様々な分野において創造性をもって福井らしい価値をさらに高めることが必要です。 時代の変化をチャンスと捉え、「福井をもっとおもしろく」を目標に、新たな価値観や多様な魅力・個性が加わった、ワクワク・ドキドキする未来を目指します。
人口減少・高齢化、グローバル化や気候変動など様々な環境変化の中、福井の良さを次代に継承していくことは大きな挑戦です。 将来像の展望と実現にあたっては、持続可能な社会を目指すSDGsの理念に沿いながら、「すべては次世代のために」を合言葉に、将来世代の幸せを願い、「チームふくい」一丸となって行動していきたいと考えます。
ここまで見たように、わが国は、地球規模の環境変化に加え、アジア・アフリカ各国と対照的な人口急減社会という困難な時代を迎えています。戦後、「東洋の奇跡」と謳われた急速な経済発展を実現したわが国が、今一度、国民の英知を結集して、この困難を克服し、持続可能な未来を描くことができるか、世界各国が注目しています。
その中で福井県は、豊かな自然に恵まれ、悠久の歴史・文化が積み重なり、家族や地域社会のつながりが残され、子育て・教育や産業・雇用の充実した基盤、そして勤勉な人材力が受け継がれる、“日本のふるさと”とも言える地域です。こうした福井の良さを最大限に発揮して、喫緊の、そして将来に向けた大きな課題である人口減少をはじめとした地域の課題を乗り越え、次の時代に新しい価値を創造していくことは、他県の、ひいては世界のモデルとなります。
2040年という未来を見据えたとき、世界が目指す「福井モデル」の確立こそが、高いポテンシャル(潜在力)を有する福井県が果たすべき役割だと考えます。
福井県は、日本海側の中央に位置し、成長するアジアに面しています。福井の可能性を最大限に高める大きな基盤が、北陸新幹線や道路、港湾などの高速交通・物流ネットワークです。わが国全体の持続的な成長のためにも、巨大地震等の災害リスクの高い太平洋側中心の国土構造を速やかに転換し、「日本海国土軸」の形成による「新次元の分散型国土」の創出が不可欠です。こうした交通・物流網の整備は本県における最重要プロジェクトであり、一日も早い完成を目指します。さらに、このインフラを基軸に、まちづくりや観光地の磨き上げ等に重点投資するとともに、新たな産業を創造し、国内外から多くの人を呼び込む力を一段と引き上げていくことが必要です。
今回のCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)の拡大は、過度のグローバル化や都市への人口集中がもたらすリスクを顕在化させました。一方、テレワークやオンラインビジネスなど、「働く場所を選ばない」生活スタイルの可能性が大きく拡がり、微住やワーケーションなどの新たな滞在・交流の形を含め、自然に恵まれた地方のくらしへの関心が高まっています。中でも、三大都市圏からほど良い距離に位置し、独自性を保ちながらも利便性が高く、「幸福度日本一」の良質な社会環境を誇る本県の良さを改めて認識する機会にもなりました。
福井の良さに磨きをかけて次世代に継承し、それらを土台にしながら、立地条件の飛躍的な向上を活かし、人々を強く惹きつける価値を創造する。誰もが安心して、豊かなくらしを楽しみ、そのイキイキとした県民の姿やまちの魅力が、たくさんの人を呼び込み、地域が賑わい、それがまた県民の誇りにつながる。そうした好循環が生まれる「福井モデル」を県民の皆さんの力を結集して確立していきたいと考えます。
こうした考えのもと、2040年に向けた県民の行動指針となる「基本理念」と福井県が「目指す姿」、「基本目標」および「将来イメージ」を描きます。